ボール

ボウリングの道具の主役はやっぱり「ボール」。ピンを倒すのはボールの役割です。せっかくボウリングを本格的にやるなら欲しい「マイボール」ですが、ここでは「ハウスボール」と「マイボール」がどのように違うのか解説します。

(1)投球しやすさ

ボウリング場に備え付けてあるボールの事を「ハウスボール」、自分で購入し専用に作るボールを「マイボール」と呼びます。より良いスコアを出し、スポーツとして楽しむならマイボールは欠かせません。

「ハウスボール」と「マイボール」の違いは、何といっても投球のしやすさです。

「ハウスボール」には予め指を入れる穴が開けてあります。ボウリングを一度でもしたことがあれば判ると思いますが、この指穴の大きさは必ず自分の指にぴったりフィットしますか? たいていの場合少し緩かったりキツかったりと、なかなかぴったりフィットする事がないと思います。そのため、どうしても投球の際に指が抜けてボールを落としたり、抜けなくて転びそうになったりと、思ったようにボールをコントロール出来ません。

これに対し「マイボール」の場合、購入したときには穴は開いていません。センターにいる「ドリラー」という穴を開ける職人さん(プロボウラーなど)に開けてもらうようになっています。穴を開ける時には、必ず手のサイズ、指のサイズ、関節の硬さや柔らかさなどを細かく計測し、各個人の手に合わせてボールを作ります。ボールを保持しやすいように指穴にゴム製のパーツを入れたりすることも出来ます。こうして作ったマイボールは自分の手にフィットしますので、ハウスボールのように落としたり、指が抜けないなどのトラブルが少なく、非常に投球しやすくなります。思った通りのコントロールが出来るようになるのです。

(2)内部構造による曲がりやすさ

マイボールを使っているボウラーを見たことがあれば判りますが、たいていの場合ボールを曲げて投球していますよね? なぜみんなボールを曲げるんでしょうか? それは別の項で解説しますが、少なくともボールを曲げることがストライクを確実に出すためには必要な技術なんです。

では、ボールの違いで曲がりやすさを見ると、「ハウスボール」は曲がりにくく「マイボール」は曲がりやすいボールになります。(1)の「投球のしやすさ」にも関係があり、コントロールしやすいので曲げやすい、という事もあります。

しかし、もっと関係があるのが「ボールの構造」です。ボールの中には「コア」という芯材が入っています。この「コア」が重要で、「ハウスボール」の場合は単純な構造のコアがほとんどです。「パンケーキ」と呼ばれる、単純な丸いコアの場合も多く見られます(というかほとんどがパンケーキかも)。

これに対し「マイボール」には、非常に複雑な構造をしたコアが入っています。ボールによってコアの形も様々です。ボールはコアのアンバランスによって曲がりやすくなります。

丸いものを転がした時の事を想像してください。キレイなバランスの良い球体は真っ直ぐ転がります。しかし、バランスの悪いいびつな球体はどこかへ曲がってしまいますよね。ボウリングのボールはこのアンバランスを利用し、曲がりやすく作られているのです。

(3)表面素材による曲がりやすさ

次にボール表面の違いです。「ハウスボール」は性能より安く多量に供給することが優先されます。ですので、表面素材も安い材料が使われます。「マイボール」はスポーツとして高い点数を出す事を目的に使われますので、表面素材にも工夫が施されます。各ボールメーカーは、いろいろな表面素材を研究していて、曲がりやすい表面素材がたくさん作られています。

(2)で解説した曲がりやすいコアと合わせ、曲がりやすい表面素材を組み合わせていろいろなボールが作られています。また、これらの表面素材はピンに当たった時の弾きが良く、ピンが大きくかき回されます。「ピンアクション」と呼ばれるもので、これがストライクの出やすさを一層高めているのです。

(4)初心者にお勧めのボール

初心者用が初めてボールを購入する場合、高級なハイパフォーマンスボールである必要はありません。いきなり性能の良いボールを使っても、逆にその性能振り回されてしまいます。

運転免許を取りたてのドライバーが、レーシングカーを乗りこなせないのと同じようなことです。まず安いボールでよいので、マイボールに慣れることから始めましょう。高級なボールを購入するのは、ボールの事をよく勉強して知識と技術が身についてからで十分です。

ABS(アメリカンボウリングサービス)
ボウリングボール GYRATION2

Yahoo!ショッピングにて購入可能
このボールは比較的安価ですが、しっかり曲がりが出る
ボールです。
初心者の方がボールの曲がりを習得するのにちょうど良いと
思います。

ある程度技術が身についてからも、しっかりとしたパフォー
マンスで武器になってくれる、長く使えるボールです。

新しいボールには指穴が開いていません。別途、各センターの
ドリラーさんに穴あけを依頼してください。個々の投球の質に
合わせて、3種類の異なる特性のものが用意されています。
どのボールが良いか選択するのは、初心者の方には難しいので、
身近な経験者に相談してみてください。