スペアボウリング

ボウリングで高スコアを出すために欠かせないもの・・・それは「スペア」を確実に取ることです。

確かに、1度に10本が全部倒れるストライクは気持ちよくてカッコいいものです。時々出るストライクでも、十分楽しめると思いますが、スポーツとしてボウリングに取り組むなら、やはり高得点を狙いたいです。そのためには時々しか出ないストライクより、確実にスペアを取るほうがスコアは絶対伸びます。

ここではまず、スペアを確実に取る狙い方のコツを解説します。

1.スペアの大切さ

まず、なぜスペアが大切かを改めて説明します。

下の2つのスコアを比較してみましょう。

strike_or_spare

ご覧の通り、上のスコアはストライク以外はすべてオープンフレーム(マークのないフレーム:ミスとも言います)ばかり、下のスコアはストライクこそありませんがオープンフレームは2つで、ほとんどスペアをしっかり取っています。

その結果、ストライクの出ている上のスコアを、ストライクのない下のスコアが上回る結果となっています。

スペアの後のフレームには、次のフレームの1投目のカウントがボーナス加算されます。ストライクの場合は2投が加算されるので良いように見えますが、上の例のようにオープンフレームが多くなってしまうと、結果的にボーナス加算が少なくなるため、スコアが伸びなくなってしまうのです。いかにミスを少なくし、スペアを取る事が大事かご理解頂けると思います。

ちなみに、すべてのフレームがスペアだった場合、最高で何点くらいになるでしょうか?

all_spare_max

1投目がすべて9本で、かつすべてスペアを取った場合のスコアです。ストライクはありませんが、190点というまあまあの高スコアです。

2.ピンの狙い方の基本

次に、スペアを確実に取るために、知っておくと便利な理論を説明します。もちろん、正確にボールをコントロールできる事が前提ですので、しっかりコントロールの練習をして下さいね。

lane_312

まず、レーンのサイズをおさらいしましょう。上の図のように、左からアプローチが15フィート、アプローチ後端からスパットまで30フィート、スパットから先頭の1番ピンまで45フィートあります。

この3つの長さの比を見ると、「45:15:30」→→→「3:1:2」となります。この日の数値、これからも重要ですのでよく覚えてください。

この比率を利用すると、スペアもストライクも非常に効率よく狙う事が出来るようになります。

3.右ピン残りの狙い方

では、2.項で説明した理論を元に、スペアの狙い方を説明します。

spare_1st-shot

まず、前提として1投目を立ち位置10枚スパット10枚で真っ直ぐ投球し、左に曲がるフックボールで1番ピンを狙うものとします。ピンに当たるとき、ボールが17.5枚目に来るように投球します。とりあえずここでは難しいことは抜きにして、ストライクになる確率が最も高いのが、上記のようにフックボールで17.5枚目をヒットする事です。

今、この投球の結果、右側の3番ピンが残ってしまったとします。これをカバーする方法は下の図のようになります。

spare_2nd(right)

このように、立ち位置を左に3枚移動し、スパットは10枚のままで投球すると、ピンデッキのところでボールは17.5枚から13枚に、右へ4.5枚ずれるずれる事になります。すると3番ピンの正面をヒットできるため、スペアがカバーが出来ます。

369_system

これを三角形の辺の比率で表すと上の図のようになります。少し板目の移動枚数は変えていますが、考え方は同じです。 

  • ①元のラインを立ち位置20枚、ピンデッキ20枚の直線とします。
  • ②立ち位置を20枚から28枚へ、左に8枚移動します。
  • ③するとピンデッキ側では20枚から8枚へ、12枚傾きが変わります。
  • ④これをレーンのスパットからピンデッキまでの長さと、アプローチからスパットまでの長さの比で見ます。
  • ⑤(1)45フィート:(2)30フィート = 12枚:8枚 = 3:2

小難しい算数の話になりましたが、要はスペアの取り方はこの3:2を応用して、スパットを変えずに立ち位置を変えるだけである、という事が言えます。

4.左ピン残りの狙い方

逆に左側のピンが残った場合を考えます。

spare_left

前提条件は右のピンが残った時と同じで、今度は左の2番ピンが残った場合です。右の時と同じ考え方で、今度は立ち位置を反対の右へ移動します。移動する板目の枚数は同じです。すると、右と同じ枚数ピン側で軌道が変わるので、2番ピンをカバーすることが出来ます。

5.369スペアシステム

ここまで見てきたことをまとめましょう。すると、一つの法則が見えてきます。

3:2の比率を元に、どれくらい立ち位置を移動すれば、どのピンが取れるかを考えると次のようになります。

2番・3番ピン
 2番の時は右へ、3番の時は左へ、元の位置から3枚移動する。
4番・8番ピン
 元の位置から右へ6枚移動する。
6番・9番ピン
 元の位置から左へ6枚移動する。
7番・10番ピン
 7番の場合は右へ、10番の場合は左へ、元の位置から9枚移動する。

  ※なお、5番ピンは1番ピンの後ろにあるので、元の位置から移動せずにカバーすることが出来ます。

このように、元の立ち位置から3枚・6枚・9枚と立ち位置を移動することで、それぞれのピンに対応することが出来ます。これを「3・6・9スペアシステム」と言います。左右のどちらに移動するかは、「残りピンの逆方向に移動する」と覚えましょう。つまり右のピンなら左へ、左のピンなら右へと、3・6・9の枚数分立ち位置を変えればいいのです。

6.複数のピン残り

最後に、複数のピンが残った場合です。1本残りなら上の「3・6・9スペアシステム」で問題ありません。では、複数のピンが残ったら・・・? 答えは簡単です。考え方は同じ。

基本的に3・6・9が使えます。狙うのは、残ったピンのうち一番前にあるピンです。

spare_multi-pin

上の図は2・4・5番ピンが残った例ですが、この場合も3・6・9スペアシステムを応用して、3枚右へ立ち位置を移動します。スパットは変えません。2番ピンを狙って投げると、後ろの4番はピンアクションで、5番はボールで直接倒すことが出来ます。

このように複数のピンが残った時、(一般的に)一番前にある、狙いを定めるべきピンを「キーピン」と言います。