スコアアップのカギは「スペア」・・・という事は理解できても、やはりボウリングの醍醐味は「ストライク」。
10本のピンが一度にすべて飛ぶのは気持ちがいいです。
では、どうすれば確実にストライクを狙えるのか解説します。
- 1.2つの条件
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確実にストライクを出すためにはいくつかの条件があります。その中でも重要な、2つの条件を挙げてみます。
上の図を見てください(右投げの場合です。左投の場合は逆になります)。
- ①1番ピンへの入射角度
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1番ピンをヒットする時に、3~5度の入射角度を付けること。この角度により、後ろのピンを
ボールがヒットした時に跳ね返されにくくなり、ピンアクションが向上します。
- ②1番ピンをヒットする板目
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1番ピンをヒットする時の板目が17.5枚目に来るようにボールをコントロールします。
17.5枚目よりも左にボールが行くと、左のピンが残りやすくなったり、スプリットになり
やすくなったりします。
逆に17.5枚目より右に行くと、右のピンが残りやすくなります。
なお、この17.5枚目は「絶対ストライクの条件」とも言われ、ボールの曲がりや回転数
などの条件により多少の誤差が許容されるようになります。
- 2.ボールを転がす
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1.項の「2つの条件」のうち、「①入射角度」に関わることです。3~5度の入射角度を得るためには、ボールを
斜めに投げるか、曲げるかの2通りの方法が考えられます。
このうち、「斜めに投げる」方法では、実は最低の入射角度の「3度」を得ることが出来ないのです。もし、斜めに
投げる方法で3度の入射角度を得るためには、なんと隣のレーンから投げることになってしまいます。
従って、ボールを曲げて入射角度を作るのですが、そのためにはボールを「転がす」のが重要です。
ボールが曲がる理屈は車が曲がる理屈と同じです。車はタイヤが回転し、道路との摩擦によってタイヤの向いた方向に曲がっていきます。ボウリングのボールも同じで、ボールが回転する方向に、レーンとの摩擦で曲がります。
なので、回転していないとボールは曲がっていきません。
ボールは力任せに投げるのではなく、しっかり転がすように投げるのがコツです。
- 3.レーンコンディション
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ボールを思い通りのところにコントロールするためには、当然狙ったターゲット(スパットなど)にしっかり通す投球
技術が必要です。しかしそれだけではボールは意図した通りに動いてくれません。
レーンには、ボールの着床する衝撃などからレーンを保護するオイルが塗布されています。
上の図は、オイルがどのように塗られているかを示す図の例で、「オーバーヘッドパターン」と言います。
レーンを上から見て、色の濃さでオイルの濃淡を表しています。一般的に色の濃い部分がオイルが多く塗られた
部分、薄いところはオイルが薄い部分を表します。
このように、オイルはレーンに均一に塗られるわけではなく、場所によって濃淡があることが判ります。もちろん
均一に塗る場合もありますが、それは競技会などの場合に限られ、ほとんどの場合は濃淡を付けて塗られます。
このレーンで、①オイルの濃い部分を投球した場合と、②オイルの薄い部分を投球した場合のボールの動きを見て
みましょう。
オイルが濃いところを投球した場合、車が滑りやすい雪の路面をスリップするのと同じで、ボールもレーンとの
摩擦を得られず滑っていきます。これを「スキッド」と言います。
やがてボールがオイルの薄い部分に差し掛かると、徐々にレーンとの摩擦を受け、ボールの回転する方向に曲がり
始めます。
次にオイルが薄いところを投球すると、今度はレーンとの摩擦を早く受け始めます。その結果、ボールは早く曲がり
始めます。
このように、レーンのオイルの濃淡をうまく利用することで、ボールの曲がりを早くしたり遅くしたりすることが
出来、これが思い通りにボールをコントロールするコツでもあります。
ボウリングを普段やらない一般の方は、ほとんどがこれをご存じないと思います。ボウリングのレーンにはこんな
秘密があるのです。これを知っているだけでも、スコアアップにつながることは確実と思います。
- 4.312システム
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最後に、ボールを思い通りにコントロールする理論を解説します。
今、立ち位置10枚でスパット10枚を通して投球したとき、ボールが14.5枚で1番ピンをヒットしたとします。
10枚目付近のオイルがやや多く、ボールが思ったよりも曲がらなかったことが原因と考えられます。
これを17.5枚目に行くように調整するにはどうすればいいでしょうか?
「スペアボウリング」のページに、アプローチ後端からスパットまで30フィート、アプローチの長さ=15フィート、スパットから1番ピンまで45フィートとで、この比率が3:1:2であると解説しています。これを応用して調整します。
立ち位置を10枚→8枚へ2枚右へ、スパットは変更なしで投球します。すると、ボールはファールラインのところで
1枚右を通り、ピンのところでは14.5枚から17.5枚へ3枚左に変化します。
つまり、立ち位置を2枚移動すると、ピンのところではボールが3枚移動するという計算が出来ます。先程の3:1
:2の比率の応用です。これを「312システム」と呼び、ストライクコースの調整に使われます。
もちろん、ストライクコースの調整方法はこれに限ったことではありませんが、非常に応用しやすい理論ですので、
まずこの方法を覚えてみましょう。